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HOTEL・LOVE
第14章 そして2人は・・ひとつになった


笑いがおさまると、晴樹はフッと息を吐いてから

香澄の正面に立ちはだかり、


「入ってみようか、コパン・・」


笑いや照れもない、ひたすらまっすぐな眼差しで

香澄の瞳をとらえ続けた。


男の視線に拘束されたまま、無言で頷いた。

香澄の中に覚悟ができているかどうか、

躊躇いとか罪悪感とか、あるかどうかわからないけど

彼を受け入れたい、という気持ちだけははっきりと存在していた。



・・杉山さん、言ってた・・ただの不満解消じゃないって・・

好きになってしまったからって・・私も・・

彼の事が好き・・だから・・この瞬間だけ・・

飛び込んでみたい・・・


決心のついた女は、自分から先へ進んだ。

目隠しの塀の向こう側へと足を進める。


自動ドアの音がやけに大きい。

一瞬、体がビクッと跳ねた。

その振動は晴樹の腕に伝わった。

大丈夫だよ・・

そう言う代わりに

香澄の細い肩を大きな掌でグッとつかんで自分の胸に引き寄せた。

そんな晴樹のいたわりが嬉しくて、

夫よりは細いその胸に、頬を寄せた。
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