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HOTEL・LOVE
第14章 そして2人は・・ひとつになった
家に帰ってから晴樹は友里と目を合わせることをしなかった。
それはやましさからか、罪悪感からか・・なんだろうと
はじめは思ったけれど、
そうじゃないことにやがて気がついた。
香澄の姿を壁だのテーブルだの、家じゅうのそこここに投影していたから、
友里の存在を今だけ空気のように透明にしてしまっただけ・・
もちろん、悪い事をした、と思っている。
だけど今夜だけは・・
せめて今夜だけは・・・
「お風呂ゆっくり入って疲れとってね」
耳のそばで聞えた声に顔をあげた。
ゆっくり立ち上がると友里がパジャマを手渡してくれた。
それから・・脇腹をつかんだ。だが・・
「ごめん、今日は・・
今日だけはダメなんだ」
怖いくらいの眼をしていたのだろう。
いつもならすぐにむくれる友里だが、
少しおびえるような目で見上げてきた。
晴樹はそれでも
氷のような態度を変えることはできなかった。