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HOTEL・LOVE
第16章 叶わぬ2度目

ベッドの端に座らせ、晴樹は下から香澄を見上げた。

彼女の手をしっかりと握り、

青ざめた顔を不安げに見つめた。



「・・大丈夫?」


「ちょっと・・吐いちゃった・・

 どうしたんだろう・・体調不良ってやつかな・・」



自分のおでこに手を当ててみる。

すこしあったかい。

微熱、を感じる。

晴樹の手もまた、香澄の熱を確認した。



「ちょっと熱っぽいね・・少し横になって、

 眠ったほうがいいかもしれないよ、ね」


「うん、じゃあ申し訳ないけど少し横になるね。

 ・・ごめんね、晴樹・・」



初めて名前で呼んだのがこんな場面でだなんて、

自分の体を恨めしく思った。


布団をめくってから、ちょっとだけ、と晴樹は

香澄の体を柔らかく抱きしめた。

さっきみたいに力をこめたらまた具合が悪くなってしまう。

そっと、包み込むようにして、抱いた。



「・・今日はやめておいたほうがいいね・・寂しいけど・・

 香澄のつらそうなとこは見たくないからさ。

 また・・今度にしよう。だからせめて・・

 キスだけさせて・・」
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