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HOTEL・LOVE
第11章 求める理由

「・・平日の昼間なんてね、

 ほとんど不倫のカップルなのよって、

 フロントの雪江さんが言ってた・・

 たしかに、宿泊して出てきた客を見ると

 恋人同士って感じのカップルが多いけど

 昼間に休憩で来る客って

 なんだか不釣り合いな男女が多いんだよね・・」



2年の間に目にした、男と女。

働き始めの頃は

その関係を探れるほどの余裕はなかったけど、

仕事が慣れると同じように、

想像をつけることにも慣れていった。


聞えてきた会話、ドアの前での動き・・

答えは自然とでた。


男に敬語を使う女・・

きっと会社の先輩とか上司とか、

とにかく立場が違う相手。

服装からして仕事中?営業回りとか・・

そんなカップルはよく見かけた。


おもしろいのは、

女が主導権を握ってるって感じの

熟年の男女。

威勢のいいオバちゃんは、まるで尻を叩くかのように

男をあおる。

さっさと鍵開けなよ!と背中をはたく

乾いた音を聞いて笑ったものだ。


ドアを開ける時、気の焦りからか

なかなか鍵を開けられない男のかたわらで、

他人事のように無言でいる女。

恋人同士なら

その無様さだって笑えるだろうに・・


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