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オナホ女とディルド男
第1章 ディルド男と呼ばれた日々
 僕は僕の所有者のことを、心の中で「所有者」とか「お嬢さん」とか「小娘」など様々な呼び方で呼んでいる。

 一回りは年下かと思われる女子に所有される喜びと、心で繋がることを断固として拒否されていることへの小さな憎しみとがそこには共存しているのだろう。


 アパートの自室を出る。

 彼女の家は僕のアパートの隣に立っている大きな一軒家だ。
 アパートとの境目にはちょっとした植え込みがあるだけで容易に庭に侵入できる。

 そんな植え込みでも、最初に越えるときは緊張したものだ。

 このあたりは人通りもほとんどなく街灯もないので深夜ともなればほとんど闇。
 見つかることはありえないのだが、それでも最初は後ろめたさと興奮とで体が震えた。
 まあ、はた目から見れば犯罪行為、緊張しないほうがおかしいか。

 今夜は月が出ていていつもよりは明るいが、もはやこのプロセスに慣れてしまった僕は何の躊躇もなく植え込みを越え、庭に侵入した。
 
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