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溺れる
第1章 プロローグ
ママが、病気で入院した。

「瑠花?ママが、入院中、瑠花一人だと危ないから、桃花達に同居してくれるようにたのんだから。」
「お姉ちゃん、帰って来るの?」
「だって、瑠花の食事もあるし、桃花はもうすぐ赤ちゃん産まれるから。それに、賢司さんもくるからさ。」
「ふぅん。」

私、正直、お姉ちゃんの旦那さんって、苦手なんだよね。たまに会うと、私の動きをジッと見てるような気がして。気のせいかも知れないけど。でも、ママには、心配かけたくないし。

「いつ来るの?」
「今日の夕方には、こっちに着くとか言ってたから、そろそろかな?」

コンコン…

「ほら、来た。」

ドアを開けると、お姉ちゃんと賢司さんがいた。

「お母さん、具合どう?」
「大丈夫よ。来てくれて、ありがとう。」
「あなた達のお部屋は、桃花が使ってた部屋があるから、そこでいいかしら?」
「ええ。」
「じゃ、賢司さん。悪いけど、瑠花と帰ってくれる?一人じゃ心細いだろうし。」
「ああっ。じゃ、行こうか。瑠花ちゃん。」

私は、もう少しいたかったけど、帰ることにした。
車に乗ると、仕切りに賢司さんが話しかけてきたけど、余り頭に入ってはこなかった。

玄関の鍵を開け、入る。

「瑠花ちゃん。」
「はい?」
「食事食べた?」
「病院で、軽く食べました。」
「良かった。俺、全然料理出来なくて。」
「料理も掃除もお姉ちゃん任せかぁ。」
「荷物どこに持ってけばいい?」
「あっ、こっち。」

階段を昇る。

「この手前が、お姉ちゃんの部屋。奥が私で、此方がママの部屋。」

賢司が、桃花の部屋に、荷物を置いた。

「じゃ、私、お風呂入るから。」

瑠花は、部屋に入って、着替えを持つと、バスルームに向かった。
なんとなく背後に賢司の視線を感じた。

瑠花が、お風呂から出て、リビングに入ると、賢司さんが電話していた。
話の内容からして、お姉ちゃんだ。

「今日、桃花。病院に泊まるって。」
「えっ?!ママ具合悪くなったの?」
「違うよ。」
「あっ、じゃ、おやすみなさい。」
「おやすみ。」

じゃ、気のせいか。子供が産まれるんだから、変な気なんか起こさないか。
そう思って、瑠花は、眠りについた。
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