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衝動[完]
第9章 番外編Ⅲ


「先生、背中に傷がある。」



「ああ……古傷だよ。ヘマした時もあったからねぇ。」



私の知らない所で、私の知らない頃に……。


先生が、ずっとずっと頑張って来た証―――。



「大丈夫だよ。弥生。」



急に言われて弥生の手がピクッと震えた。



「もっとずっと若い頃の傷だからね。もう痛くないんだよ?だからね、大丈夫。」



「うん……。」


弥生はヒタッと小さな掌を祐の背に当てた。



―――祐先生が、これ以上ケガしませんように……。


ずっとずっと一緒にいられますように……。


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