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キズアト
第11章 異変
「誰が聞いても大丈夫、何でもないとしか言わないんだ。だけど、お前にならきっと…」

「ああ、行ってくる」


俺は真っ直ぐに水原の席に向かい、声をかけた。

「水原、少し話さないか?」

「…ちょうど良かった、私も話があるのよ」

拒絶されなかっただけでこんなにホッとするなんて、俺はどれだけ緊張していたんだろう?

水原を伴って歩き出した俺の視界の端で、脇山が『ガンバレ』と口パクで応援してくれていた。




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