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Could you walk on the water ?
第20章 盗聴
「今日、新聞の取材があったわ」

「・・・・・」

「あなたとのことをカムフラージュするためにも、私、あの人との再婚を考えてるって言っておいたわ」

「いいのかな。そんなことを兄貴が知ったら、本気にしちまうぜ」

「殺しのことを記者にも聞かれたのよ」

「・・・・・・・・・」

「世間は私が前の主人の望みを受けて仕組んだって、今でも考えているわ。私たちがこんな風に裸で抱き合っている現実は絶対に知られちゃいけないの。そして、彼がどうして刑務所に入ってしまったのか、も」

「あの夜、兄貴を警官に尾行させたのがまさか、ね・・・・・・。だけど、姉さんだってそれを知っていた」

女は男の追及をかわすように、言葉を返した。

「私たち、いつからこんな関係になったのかしら」

「姉さんが堀内のところで働き始めてしばらくの後さ」

「・・・・・・・・・・・」

「初めは俺が強引に姉さんの体を奪ったのかもしれない。でも、その後のことは」

「全部、私が仕組んだシナリオ通りっていうのかしら」

「全て計画通りだった。兄貴の収監、兄貴との離婚、堀内との再婚、奴を消して財産を丸ごと手に入れるまで。収監の経緯以外、兄貴も全部知っている話だ。ここまでは、ね・・・・」

「彼は立派な共犯者よ。知らないことなんて・・・・・・」

「寮で働き始めたころから、姉さんが次第に目覚めていった事実。兄さんはそれを知らない・・・・・・・・・・・・」

「何に目覚めたっていうの・・・・・・・・・・・」

それを言うべきか迷うような沈黙の後、男が答えた。

「姉さんは女としての悦びを知ってしまったんだ。姉さんはあの寮で働いて、散々猥褻なサービスを強制されて、バイクの若者たちにいじめられていくうちに」

「男に目覚めたっていいたいのかしら・・・・・・・・」

「だから、俺に抱かれることも受け入れた」

「・・・・・・・・」

「そして、とどめは堀内だ」

「・・・・・・・・」

「姉さんは堀内に抱かれて、初めて本当の快感を知った。そうだろう?」
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