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Could you walk on the water ?
第6章 陵辱未遂
7月に入った。

妻、沙織に対する大介の感情は、複雑に絡まっていく一方だった。

堀内の工務店で働く労働者たちが寝起きする寮。

そこでの妻の仕事が、大介には依然として霧に包まれていた。

妻の周辺にたむろする作業員たちの姿が、日増しに大介の脳裏を占有していく。

それに輪をかけるような出来事も起こりつつあった。

あの、バイクの爆音だ。

それは、沙織の帰宅する深夜、同じ頃に静寂を切り裂くようになっていた。

まるで、何台ものバイクが、妻の車を激しく追いかけてくるかのように。

「沙織、バイクの連中は大丈夫なのか」

大介は何度か心配げに、妻にそう聞いた。

「バイク、ですか?」

「沙織の帰ってくる頃に、最近うるさいじゃないか。あいつら、堀内のところで働いている連中だろう」

「確かにバイクで走り回っている子たちはいますけど・・・・・。あそこで働いている子じゃないんじゃないかしら」

妻のそんな言葉は、どこかで若者たちをかばっているようにも聞こえた。

そして、これは考えすぎであろうが、妻の様子も僅かな変化を見せ始めていた。

季節が夏となったせいか、出勤する妻の服装は、肌を露出するものが多くなった。

勿論、それは東京にいる頃からそうなのだが、以前にはあまり記憶のないような服装を、妻は選択するようになっていた。

ボディラインを際立たせるようなワンピース、膝丈のタイトスカート、素肌が透けて見えるかのような薄地のブラウス。

刺激的な服装は、清楚な妻の肉体に明らかな官能の魅力を与えていた。

そのような格好の人妻を見たならば、男たちが妙な欲情を抱かないとも限らない。

だが、大介にはその点を妻に問いただすことができなかった。

できるはずもない。

それは、自らの考えすぎのように思えたからだ。

カフェのほうは相変わらず苦戦が続いていた。

客足も途絶え、一人でいる時間が増える。

時間の余裕ができるにつれて、大介はもう、1日中妻に関する想像を止めることができなくなっていた。
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