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甘いだけの嘘ならいらない
第10章 泣き虫な君には甘いだけの嘘を


「ん……っ」

「理紗は人がよすぎる。今だって、俺を突き飛ばせば、キスは避けられたかもしれない」

「やだ……っ、やめ…」

「いくら好きになった男でも、もう心がないなら、こういうことされたくないなら、ひっぱたいてでも逃げないとだめだろ?」


低く笑って、離れた唇がもう一度近づく。


北条部長の片手で簡単に両手を押さえつけられて、唇を舌先でなぞられる。


至近距離で囁かれる吐息に、言葉にぞくりとして、思わず唇を開くと、舌が滑り込む。


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