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誘淫接続
第6章 強制接続

    ※  ※  ※

 今日の昼間、トイレで翠に『レイプ』された後、麻琴はとても仕事などできる状態ではなく結局早退した。
 自宅に戻っても混乱はなかなか収まらず伏せっていたが、時間が経って少し落ち着いてくると、翠に対して腹立たしさと悔しさが頭をもたげてきた。
 しかし、麻琴の中にはそれを打ち消してしまうほどの大きな怖さが居座っていた。

 翠は、全てを知っているのだ。
 麻琴の性癖も、他人に隠れて燃やしてきた淫欲の過程も、全部知られているのだ。
 『秘密にしておいてやる』――翠はそう言った。
 そうは言っているが、昼間の翠にしても今の翠にしても、とても正気には見えない。

 これが、翠の本性なのか。
 職場では、麻琴の前では、ずっと正気なふりをしていたのだろうか。それともどちらも正気で、解離性同一性障害を抱えた――いわゆる二重人格者なのだろうか。
 とにかく普通ではない。
 そんな翠の言うことなど信じることはできない。いつ、撮られた写真と一緒に全てをばらまかれるか分かったものではない。

 隆一にも――ばらされるかも知れない。
 だから、夜になって翠から――『ご主人様』のアドレスから――メールが来た時も、悔しさと恥ずかしさを抑えて、命令に従った。

 隆一からもらったメモのことも、彼にメールを送ることも、全部頭から吹き飛んでしまっていた。
 そして麻琴は翠が命じるままに貞操帯をつけ、何度も何度も強制絶頂させられたのだった。

    ※  ※  ※

 麻琴は、スマホに向かって話しかけた。
 「……これから……私を……どうする気なの……?」
 「敬語って言ってるだろ!」
 麻琴は唇を噛んだ。
 「……どうする、気ですか……?」
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