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唇に媚薬
第3章 強情プリンセス

「~~~!!///」


こ、

こ、

こんなことで優しいって……普通思わないよ。

しかも、誰にも教えたくないって……!?


「あ、バス来た。すげーリアル」

「……葵……」

「天国行きか?」


なんなの、もう!
飛んでる上に、人格まで変わってますけど!

発言がいちいちダイナマイト級で
さっきから幾度となく心臓が飛び散ってる。

ふらつく葵と共にバスに乗り込むと
並んで座った途端、私の肩に頭を乗せて
葵は静かに目を閉じた。


「………」


……いつも、弱さは絶対に見せないから
何でもスマートにできる完璧男だと思っていたけど

この広い背中に、色んなものを沢山背負ってるんだろうな。
働く男が、この世で1番美しいのかもしれない。


……繋いだままの手から伝わる、葵の体温。
胸も、心も、中心も
何もかもが、熱い。

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