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唇に媚薬
第4章 添い寝と腕枕

30という歳が、一般的に若いのかどうかは知らねぇが
第一線で走り続ける為の、気力や体力は今でも十分備わっているはずなのに


睡眠薬が無いと眠れなくなったのはいつからだろう。



“ まだ浅いくせに ”
“ 日本人のくせに ”
“ 年功序列って言葉知らないのか ”

がむしゃらなんてキャラでは決して無い。
むしろ何でもそつなくこなせるタイプ。

それでも、生き残りをかけて必死だったのは確かだ。

実力がありゃ上に行けるわけじゃねぇこの “ 世界 ” で
次々と落ちていく同期達
俺と蓮を含め、本部に残ったのは片手で数えるまでになっていた。


……給料は俺の半分以下でも
心と時間に多少なりとも余裕がある友人達

幸せの絶頂であろう結婚式に招かれ
子供が生まれたという報告を受ける度に
俺の進む道は本当に正しいのかと、自分に問いかける日々。


……いや、満足してるだろ。
金にも女にも、困ったことは一度も無い。
孤独に変わりはねぇけど


……俺は……



“ 葵! 飲み付き合って! ”

“ いつも愚痴聞いてくれて、ありがとう ”


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