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翻弄の果てに
第8章 新天地 新しい生活
俺は、背中越しに環の両手首を握り、

『万歳して、この手首、縛っていいかな?』

環の耳元に囁いてみた。
嫌がるならしない。しかし、環は「コクン」と頷いた。

『ありがとう。気持ち良くしてあげるよ。』

環のスカーフで、手首を拘束すると、リビングと寝室の境の引き戸を開け、そこのフックに結んだ手首のスカーフを絡めた。

背伸びをして爪先立ちになった不安定な姿に、どこも隠せない躯……


『恥ずかしい……』

『うん。ホントだ。恥ずかしいね。厭らしく見える。』

『イヤ…意地悪……』

鴨居に手を突っ張り、環の唇に俺の唇を重ねる。

不安定な躯を俺に預け、重ねた唇が離れないよう、必死に吸い付いてくる環が可愛い。



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