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翻弄の果てに
第9章 環と祥子
環の所へ祥子が来たのは、あれから相当の日が経っていた。

メールのやり取りは結構していたのだが、それすら途絶え、数日が過ぎた頃である。


『本音を出す時がきたのね?』

『…はい…。』

『辛かったわね…』

祥子は既に涙顔。環は祥子の横に寄り添い、背中をさすりながら言った。

『いいのよ。それで、ね?あなたの人生よ、自分に負けないで。』


灯子は、ジャスミンティーを勧めた。


『いただきます……』

一口すすり、意を決して祥子は心の叫びを声にした。



『好きなんです。悠太さんが。』


『愛しているのね?』



『はい。ごめんなさい!でも、どうしようもなく……』

祥子は大粒の涙をポロポロと落とした。
それは、環に対する思いと、それでも愛してやまない悠太への思い、そのものだった。




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