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翻弄の果てに
第9章 環と祥子
温泉で温まった躯は、ますます痣や傷や跡をくっきりと映し出しているのだろう……

その痛々しい躯を浴衣で隠し、環は妖艶に微笑んでいる。


『あがりましょうか、あ、祥子さん、ゆっくり浸かってらっしゃる?』

『あ…えぇ…環さん、お先にどうぞ……』


どれ程強く縛られたのだろう…

環の躯に付いた縄目跡は真っ赤にしっかりと残っている。

躯中の傷跡、剃り落とされた陰部の膨らみ、祥子には想像もできない行為に、あの母子は、身悶え、激しく求めあったのだろう。

「ザブン!」

湯舟に頭を沈め、顔を濡らし、両頬を「パンパン」と叩き、大きく息を吐いて、祥子も湯からあがった。



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