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翻弄の果てに
第11章 純粋な気持ち
ショックだった。

この時点では、まだ、祥子が愛しい人というわけではなかったが、「大切な人」を失った気持ちでいっぱいになった。


またひとり……

大切な何かを無くし、心の隅っこに小さな穴が空いた。

まるで、掬った砂が、指の間からこぼれ落ちるように、俺の27年間が崩れ去る……


常に日蔭に居て、俺を支えてくれていた祥子だったと気づいた時……

『捜す!なんとしても!』

そう叫んでいた。



環を捜し当て、半ば強引に連れだったあの頃の感情に似ていると、ふと思った。


しかし、祥子の居所は一向に掴めないまま、いたずらに時間だけが過ぎていった。


『祥子はどこに居るんだ……』



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