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第15章 女。未来(みく)

まだ夕方だった。今から戻れば、まだ今日のうちに家に着く。

一緒に謝ることも視野に入れ、力はとにかく戻る方向で未来を説得していた。

しかし

未来は一向に首を縦に振ろうとはせず……


『わかったよ、未来。俺が電話をする。未来、よく聞いてくれ。未来のためにだけじゃない、俺のため、いや、俺達のために、今、きちんとしなきゃいけないんだ。もう会えなくなってもいいのか？』

『もう、会えなくなってしまうから……今、連絡なんかしたら……あたし達は引き裂かれてしまうわ！パパはそういう人よ！』

『話せばわかってくれるさ。』

『お願い…せめて今日一日だけ……明日、必ず連絡するわ。だから、お願いよ。』


まだ１６だというのに、未来は不思議な色香の漂う女だった。

力は、その魔力に引き込まれるように、大人の理性と常識を見失っていった……

『明日、必ずだよ？』

『はい。』