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第5章 性(さが)

仲間は、男の死を伝えると、『また来るなっ』と言って帰った。


それから二日、俺は｢あの｣話を環にするかどうか迷っていた。

『賑やかなお友達が帰って、淋しい？』

『なんで？』

『元気ないから。悠ちゃんも、元の生活に戻りたくなったんじゃない？』

『いや、それはないな。ここの人達に俺は、必要とされているんだ。俺も、ますます、ここが好きになってるし。』

『そう……』

『え？環は、ここが嫌？』

『そ、そんなことはないわ。自然もいっぱいで、人があたたかいしね…』



環の様子がおかしい。
言葉に詰まるような、気持ちがここに無いような。

俺は、思いきって、｢あの｣話を切り出した。