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翻弄の果てに
第5章 性(さが)
環は、「そろそろ…」と、感じ始めていた。

女として、悠太を愛している。でも…私と悠太は許されない関係……

母に手紙を書こうか、とも思った。

悠太の所在を知らせるため。今度こそ、悠太と離れるため。

そうすれば、私の気持ちが楽になる?

いや、楽になんかならない。返って辛くなる……

でも…でも、このまま本能のままに、悠太と愛し合うことが、どうしても出来なかった。


環の心労は限界だった。

フッ…と、身体が軽くなった。
目の前が、くるりと廻った。そして、意識を失った……




『悠太ーっ!おるかーっ!』

『なんだよ、居るに決まってんじゃん(笑)』

店頭で、車を洗っていた悠太が、笑って答えた。


『姉さんが倒れた!今、病院に行ったから…』

悠太の姿は、もう小さくなっていた。

「環!すぐ行くから!」



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