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short story
第3章 これが私の生きる道/tamami
でも次の日からあたしはヤンキーたちからVIP扱いされるようになってしまった。


部活は手芸部かテニス部に入りたかった。
でもとてもそんな雰囲気ではなくなってしまった。



「辰さん!!」


厳ついヤンキーにそう呼ばれあたし涙目。



「あた・・・俺の方が年下なんだから・・・その呼び方は・・・」


やめて欲しい。
可愛くないもの・・・オッサンみたいじゃない・・・


でもヤンキーたちは引いてくれない。
やれどこの族だの他校との喧嘩だの、正直あたしには全く持って興味のない話で・・・
それをそのまま態度で表していたら一匹狼だのなんだのと騒がれ、「孤高のタツ」なんてキャッチフレーズまで付けられてしまった。


最悪・・・
最低・・・


クラスメイトからは避けられ寄ってくるのはヤンキーばかり。
放課後、部活動に精を出す生徒たちを見ては羨ましく思っていた。
友だちと楽しそうにお喋りする姿が眩しくて、じっと見てたらガン付けてると勘違いされ更に普通の生徒たちはあたしに近寄らなくなった。




・・・・・・そんな環境に嫌気がさし、いつからかあたしは第二理科室で一人編み物をするようになった。
当時、第二理科室は殆ど使われていなかったから授業をサボっては図書室で借りた編み物の本を見て独学でやっていた。


でもどうしたって独学じゃ限界があって・・・
どうしたものかと悩んでた時、再び彼女と出会った。



「・・・何してんの?」


編み物に夢中になりすぎて誰かが来たことに気づかなかった。
慌てて机に編み物を突っ込み隠した。



「別に・・・」


その人は私のとこまでやって来て、さっき机に隠した編み物を奪い取る。



「これ・・・アンタがやったの?」


「・・・・・・・・・」



バレちゃった・・・
馬鹿にされ、きっと皆に言いふらされる。


でもそれならそれでいいと思った。
孤高のタツなんてキャッチフレーズもヤンキーな環境も、全部があたしにとってストレスだったから。
そこから開放されるなら構わない・・・


ただ、またヤンキーたちに呼び出されたらどうしようってそれだけが心配だった。





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