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ピンクの扉
第13章 再び東京

冗談であってくれと部屋を覗くと
今まさに情事を終えて若い二人は
己の性器をティッシュで拭っている最中だった。


「由佳!何をしてるんだ!」

何をしているかなど一目瞭然だったが
智一にはそんな言葉しか発することができなかった。


「パパ?どうしてここに?」

由佳もまたベッドにM字でしゃがみ込んだまま
素っ頓狂な声を出した。

「え?おとうさん?…は、初めまして」

彼氏はベッドから飛び降りて
萎んだちんぽをブラブラさせながら最敬礼した。


二人の行為には目を瞑るとして
智一は今回の経緯をかいつまんで由佳に話した。

「というわけでパパからママに連絡が取れないんだ。
由佳から連絡を取ってくれないか?」


わかったわ…由佳は桃子に電話をかけてみたが、
スマホからは
『おかけになった電話は電源が切られているか
電波の届かないところのようです』と
冷たい人工音声が帰ってきた。

「ママ、どこにいてるのかしら…
とりあえずLINEしておくね」

今となっては由佳のスマホだけが頼りだった。

「で、パパ達これからどうするの?」

慌てて亜里砂を連れて帰京したものの、
今夜の事を考えていなかった。

「ここに泊まってもらうにしては部屋がないしなあ…」
いくら部下とはいえ、
レディにリビングのソファで寝ろとは言えない…

夫婦のベッドを使わせるのも気が引けた。


「私ならホテルで構いませんが…」

その申し出を受けて
智一はホテルに亜里砂を送り届けることにした。

由佳には「くれぐれもちゃんとしたお付き合いをしなさい。
決して避妊を忘れるなよ」と釘を刺して
桃子から連絡があれば教えてくれと頼んだ。

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