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ピンクの扉
第10章 旅は道連れ

そんな事を考えていると
スマホが着信を知らせて震えだした。

画面には夫の名前が表示されていた。

『言い訳なんて聞きたくもないわ』

むしゃくしゃしていた私は
夫からの着信を拒否リストに加えました。

LINEもメールも全て拒否しました。

涙が溢れて仕方ありませんでした。

やがて私はそのまま泣き寝入ってしまったので


。。。。。

目を覚ますと部屋は真っ暗でした。

スマホの時計表示は午前1時となっていました。

『いやだわ…食事も摂らずに
寝てしまっていたんだわ』

しんと静まりかえった暗がりの中で
天井を見つめていると
やにわに隣の部屋から甘い声が聞こえてきました。

『あ…あ…ダメ…いやん…』

いやだわ…お隣さんったら
女を連れ込んだのかしら…

あ、でも、逆に
女が男を招き入れたという事もあるかしら。

そんなことはないか~。

こんなチープなホテルに泊まる女なんて
私ぐらいだもの。

だとしたらやっぱり女を連れ込んだんだわ。


やがてローターを使い出したのか
ブーンという機械的な音がし始め、
女の声が1オクターブ高くなりました。

『あ~ん…それ、凄くイイ!!』

聴き耳を立てる自分がバカらしくなり、
布団を被って再び寝ようとしましたが、
お隣の声が気になって…

心が穏やかないつもの私なら
その声をBGMに他人のセックスを妄想しながら
自分もオナニーをするところですが、

どうにも今は喘ぎ声が癪に障ります。

『今頃、夫もあの女とセックスしてるんだわ!』

自分だけのモノと思っていた夫の
巨大なイチモツが
見知らぬ女の躰を貫いていると
考えただけでむしゃくしゃしてきます。



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