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ピンクの扉
第10章 旅は道連れ

「そうなんですか…」

一通りの経緯を話すと、
彼は真摯に聞いてくれました。

次の言葉を発しようとした瞬間、
私のお腹がグウ~っと鳴ったのです。

「きゃあ~恥ずかしい…夕食抜きでしたので…」

「そりゃあ、お腹が鳴る訳だ。
そうだ、ちょっと待っていて下さい」

そう言って彼は部屋に戻ると、
おつまみやスナック菓子を手にして
戻ってきました。


「こんなモノでよければ食べて下さい。
チープな撮影旅行で夜の楽しみと言ったら
おつまみを食べながら酒を飲んで
アダルトを見るぐらいなんですよ」

そう言って、お辞儀をしながら
部屋へ帰りかける彼の手を取って
引き留めてしまいました。


怪訝そうな彼に向かって

「私、AVって興味があるんですけど
見たことがなくて…
よければご一緒に見ていただけませんか?」

なんだか今夜は一人っきりになりたくなくて、
彼を無理やり引き留めてしまいました。

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