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第3章 「正弘の場合」

金曜日っていっても毎週は来られなかった。

仕事っていうよりも彼女が、ね。
たいていは土曜から日曜にかけて会ってたんだけど、たまに
金曜の夜からって言われると、そりゃ断れないからね。
基本、金曜の夜は友達と遊ぶって
彼女にも公言してたんだけど、そこはやっぱほら、女だからさ、
わがまま言って気を引きたかったんだろ？


３０人切り競争してる頃は月に３回は来てたかなぁ。
友だちと一緒だったね、その時は。

お互いターゲットを見つけると、かぶらないことを確認してから
女に声をかけに行く。

チークの２～３曲前あたりで近づいて、
声も聞こえないような音の洪水の中で、笑顔だけで誘いをかける。
その反応を見ていけそうだと判断したら、すこ～しづつ体をぶつけていってさ。

ほとんどの女は受け入れたね。
たまに引いていく女もいたけど、
でも十中八九、次へ繋げられたね。