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回想ディスコ
第4章 「弘美の場合」

もう一度、みんなの顔をぐるりと見回す。
マヌケな、って言っても許されるくらいの目玉と口元。
みんなそう・・
とりわけロッキーこと正弘さんの顔っていったら・・
何とも形容し難い。
驚き、驚き、そして恥ずかしさ・・
今にも泡を吹きそうな、息苦しそうな顔・・
そうなのだ。私が、シャネなのだ。
用意した懺悔話はもちろん、正弘さんの話しとまったく同じ。
私のワンダーランド人生の中でいちばんの思い出だもの・・
やっと、誰かの咳ばらいが聞こえた。
男、だ。
その後続けて声がした。ロッキーだった。
「あの・・確認しますよ?あなたが・・あのシャネちゃん?」
右手ですっきりとしている頭を撫でまわし、左手で膝をグッと握っている。
「はい・・シャネです・・そしてあなたが、ホントにロッキーさん?」
負けじと確認し返す。
だって!この元バーコードが!あのロッキー?
まさに見る影が無い、とはこのことじゃないの!
そりゃ私だって人のことは言えないわよ。
ほっそりしていたウエストには要らないのに脂肪が蓄えられて、
顔の中ではホウレイ線が主張して。
ロッキーさんからしてみれば、あの時の女がこれ?っていうのもわかるわ・・
 

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