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第19章 俺と杏奈の1か月　蒼汰SIDE

｢蒼汰さん、もっと凄いよぉ？
何たって中出しだよ？中出し。蒼汰さんの熱いの、
いーっぱい子宮に出されるんだよぉ｣


｢う…っぐふ！げほげほ…っ｣


おーーーーーいっ！！


杏奈じゃねぇか！


つーか！


どんだけ酔ってんのか知らんが女の子がそんな事をこんなところで大声で言うな！


俺の名前はいいが…中出しってお前！


｢…大丈夫か｣


｢げっほ！…っ、…何とか｣


気管に入っていった酒に噎せ、ようやく息が整うと再び隣の2人の会話に耳をすます。


…程の大きさじゃない。


耳をすまさなくても聞こえる音量で話す2人…


内容は、平常時では決して話せない、セックスについての会話。


しかも中出しとか男の性癖とか…お前らプライバシーのへったくれもねぇな！


そこから俺がイケメン四天王だったって事や杏奈のミスコン1位がどうとか…そして。


俺への思いを、ぽつぽつと語ってくれた。


マジ、か。


杏奈…今でも、俺を思ってくれてるんだ…


｢どんな蒼汰さんでも好き｣


ありがとう…俺もだよ。


俺も、どんなお前でも好きだよ。


それなら。


杏奈がそう思ってくれてるなら…


迷いなんて一切ない…なくなった。


明日朝一で美咲に告白して、杏奈のところに…


と、思ったのに。