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第19章 俺と杏奈の1か月　蒼汰SIDE

話聞いて、無表情で突っ込んでる。


…ウケるんだが。


だけど。


｢やっぱり童貞だったんじゃない？｣


その言葉に俺は反応せざるを得なかった。


…ちっげーよ！


麻友ちゃんも翔も隣の片割れの女も…何でそこまで俺を童貞にしたがんの！？


童貞じゃねっつーの！


俺の様子を見つめてた大樹は、


｢お前のセフレとやら、凄ぇな｣


と呟いた。


…杏奈も凄いが一緒にいる女のキャラの濃さがハンパねぇ…


｢チッ｣


盛大な舌打ちをして顔を歪めると、向こうでグラスの割れるような音がした。


そこからの茶番で…めちゃくちゃ爆笑してるんですけど。


…目の前の男が。


｢ククッ…っふは、バッタガエル…｣


やべぇ、大樹が爆笑してる。


貴重すぎて驚きすぎて笑えねぇ。


…5倍には笑ったが。


｢…大樹。写真撮っていいか｣


聞こえてないらしいので勝手に、笑ってる大樹にスマホのカメラを向ける。


やべぇ、超貴重な大樹カメラに収めてしまった。


あとで美咲に送っとくか…


隣の片割れの女の言葉に


｢はいカット～｣


なんて合いの手入れてるし…今更酔い始めたか？


そこからの大樹はご機嫌麗しいらしかった。


にこにこしながらまた


｢美咲可愛い｣


とか言い始めるし…


再びスマホをかざしかけて…やめた。


そろそろ帰った方がいいだろうか。


｢なぁ、蒼汰。美咲可愛い｣


｢…はいはい｣


分かってます。