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want to be ...
第20章 再会 蒼汰SIDE
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「ちゃんと美咲に思い伝えてけじめつけてきた。
…長い間待たせてごめん。まだ、有効なら…
結婚前提で、俺と正式に付き合ってください」
そう言って頭を下げ、持ってた花束を差し出す。
俺もいい加減大人になって、プライドや見栄なんてものは捨てないとな…
唇を噛み締め、ギュッと目を閉じた。
…かなり、待ったと思う。
いや…短かったのか?
どっちともとれない時間を過ごし、顔を上げようとした時。
「ほんとに…あたしなんかでいいんですか?」
杏奈の震える声が聞こえた。
杏奈は何度もこういう事を言う。
もっと他に綺麗な人たくさんいるとか、俺の周りの人と比べ物にならないとか…
比べ物にならない?当たり前じゃん。
周りにいる女なんて視界に入らないくらいお前に夢中なんだよ?
俺の外側しか見ようとしない女達と、比べるなんて杏奈に失礼だろ。
分かってる?…分かってねぇよな。
ならこれからたっぷり時間かけて、お前が俺のもんだって事証明してやる。
俺がお前のもんだって事証明してやるよ。
「杏奈がほしい。杏奈だけが」
頭を下げたまま呟く。
杏奈の細い足が恐る恐る近付いてくるのが分かる。
あと、1m。
あと、50cm。
あと…
「…っ!」
思いきり抱き付いてきた杏奈。
花束を持ったまま、杏奈の細い体を強く抱き締めた。
「うっ…ふ、遅いよぉ…っ」
「ごめん、俺が弱いせいで…」
「もう、知らないからっ…
返品なんてしたらほんとに大っ嫌い…っ」
「しねぇよ、バカ…。お前は俺の大切な女だ」
「っ…、ふぅう…っ」
「今はまだ、信じて貰えないかもしれないけど。
愛してる、杏奈…」
涙が溜まった目を思いきり見開く杏奈の唇に、そっと唇を重ねた…
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