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第29章 素直な気持ち 雫SIDE

何でも積極的に計画してくるくせにちょっと押しに弱いところがあるのが気になったけど、友達以上恋人未満の関係をじりじり続けて、あ、好きだなって自覚した時…告白されて付き合った。


付き合ってからはもう…甘々で。


いらないっていつも言ってるのにカバンとか財布とか買ってくれて、誕生日なんて海外旅行に連れてって貰った。


なんかね、あたしが柾の事金持ちの色目で見なかった事が相当嬉しかったんだってさ。


そういう子と出会いたかったって。


そういう子を甘やかして、いらないって言われても色々買ってあげたかった、みたいな事を、初めてエッチした時ベッドの中で言われて、その時ちょっとだけ複雑になった。


だってつまりさ、あたし以外にもそんな子いたらそういう気持ちになるって事じゃん？


でもそれを後日言ってみたら、あたしがよかったんだって。


中1の頃から知ってて、あたしは全く気付かなかったけどアピールしてくれてたんだって。


デートは、払うって言ってんのにいつも全部柾持ちだし、記念日はホテルの最上階でディナーだし、いらないって言ってんのに何かしらたっかい物くれるし、突然大量の服買ってくれたりするし、悪い言葉で言ったら｢貢がれた｣と思う。


あたしはいつも遠慮していた。


遠慮していたけど、嬉しかった。