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第29章 素直な気持ち 雫SIDE

カマ、かけてるのかな…


｢これは誰が見ても合体してるし禁断愛だし…
なーんか理由ありそうだよな。
あれか、賄賂で体捧げてんのか？給料アップ狙ってて｣


…西野先生、嘘つけない人なんだろうな。


一瞬で変わった今の表情で分かっちゃった。


｢これ、バレたらどうなるかな。
最悪職無くすんじゃね？…ねぇ？理事長？｣


西野先生と瑞季が言い合ってる間、慌てて衣服を着てた男の人。


顔を真っ青にして固まったその人は、パンフレット等の写真でしか見た事のなかった、あたしの大学の理事長で。


職を無くす…？


｢理事長の奥さん、有名な政治家の方でしたよね？
しかも、結構大学に金入れてくれてんでしょ？
これはマズイんじゃないですかー？｣


…うわ、結婚してるのか！


お金入れてくれてるって、…凄いな。


｢下手したら消されるんじゃないですか？西野先生。
まぁ俺は知りませんけど｣


…な、なんか、これあたしが聞いてていいのかな。


それにしても、ものすごい歳の差じゃない？


西野先生と理事長だったら3、40歳くらい…


親子くらい歳の差あるじゃん…


そして、その後の大人の間での話の内容を、あたしはよく覚えてはいない。


とにかく、西野先生と理事長の証拠写真を撮影して西野先生を追い詰め、瑞季を自由にする事が出来た。