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第29章 素直な気持ち 雫SIDE

瑞季の赤ちゃん、生みたい…


｢…みたい｣


｢…ん？｣


｢生みたい。…瑞季の、赤ちゃん。生みたい…っ｣


ボロボロと溢れる涙は、止まる事を知らない。


人って、


…人って、愛しさが溢れたら涙が止まらないんだ。


だって…目の前にいる瑞季が、好きすぎて大好きすぎて。


愛おしすぎて…もう、涙が溢れて止まらない。


｢瑞季…っ｣


｢…ん。何…？｣


長い指によって拭われる涙。


瑞季の背中に腕を巻き付け、抱き寄せた。


｢大好き…っ｣


人って愛しさが溢れたら、素直になれるんだな。


瑞季が、泣きそうな顔で笑う。


嬉しそうに…幸せそうに。


ついに瑞季の目から涙が溢れて、あたし達は抱き合って涙を流した。


大好きな人の腕の中で。


あたしは止めどない涙を流した。










それからはずっと…｢子作りセックス｣を兼ねて優しく抱かれ続けたあたし。


コンドームを使わないセックスは、いつものセックスと2倍も3倍も違う。


あたしを、大事に宝物を扱うように抱く瑞季。


この人と出会えて、よかった。


瑞季の事が、大好き。


瑞季を好きな自分が…大好きだ。