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第6章 傘ふたつ

俺は一気に赤面する。
大声を出した後、慌てて口を押さえた。
しまった、ここは店内だった。

「冗談だよぉ。最近そーゆー男ばっかりで飽き飽きしてたから、ちょっと言ってみただけ」

苺香はケラケラと笑っている。

俺はちょっとだけ彼女をにらんだ。
冗談にしても刺激が強すぎる。

だが、次の苺香の言葉は、今度こそ俺の心臓を縮み上がらせた。

「若葉は柊のことが好きなの？」

俺はオレンジジュースを噴き出しそうになった。

「そ、そんなこと、あるわけないしっ！　しゅーちゃんとはただの幼なじみだしっ！」