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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第7章 重く、纏わりついて、絡みつく
「相合い傘だね!」

嬉しそうな女子の声を聞き流しながら、俺は若葉が廊下を走り去っていくのを見ていた。

なんで今更、こんなふうに気を回してしまうのだろう。
優しくしたって、もう遅いのに。

女子が俺の腕に触れてくる。

「柊、ついでにどっか寄って帰ろうよ!」

「やっぱ傘あったわ」

俺は鞄の中から折りたたみ傘を取り出した。

「えー?!」

俺は黙って歩き出す。
背後で女子が何か言っていたようだが、もう耳には入っていなかった。
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