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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第8章 泡のようにはじけて
「マイカが嘘つくと思う?」

肩をすくめる彼女に、俺はゆっくりと首を振った。
でもすぐには信じられない。

「もしかして、聞き間違いとか?」

「違うよ。聞いたの一回だけじゃないし」

苺香はクッションの向こうからじっとこちらを見つめてくる。

「若葉が思ってる以上に、柊にとって若葉の存在は特別なんだよ」

俺は黙り込んだ。
どう受け取っていいのかわからなかった。

もし、苺香の言っていることが本当だとしたら、今までしゅーちゃんが俺にしてきたことの理由がわからない。
心は要らないって言ったのはしゅーちゃんだ。
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