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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第10章 虹が笑う
言えない。

でも本当は。

――言いたい。

大雨が止んだばかりの夜明け直後の土手に、人の姿はない。
今なら誰にも聞かれない。

待って、しゅーちゃん。
今言うから。
だから、逃げないで。

俺は大きく息を吸い込んだ。

そして絶叫した。

「しゅーちゃん、好きだ!!!」

喉の奥、心臓のあたりから、想いごと噴き出していく。
熱すぎる声に肺が裂けるようだった。
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