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第9章 獲物

まだスイッチは入れずに尻穴に戻り、親指を衝きいれて掻き回す。

くわえ込んだバイブをｷｭｳｷｭｳ締め付けながら獲物は悦び始めた。


ｸﾞｲｯと指を傾けて尻穴に隙間を作る。
偏って開かれた門は閉じ切れずﾋｸﾋｸ動くのを観察した後、もう一方の親指を滑り込ませた。

んぁあ…お尻がぁ…

｢十分ほぐれたから痛くはないでしょう？｣

獲物は口淫しながらまた頷いた。


ろくろを回し土に親指を入れて、湯呑みの飲み口を造り出すように…

或いは革職人が革をなめして拡げるように…

じっくりその感触を味わいながら拡げていく。

んぐ…ぐふっ…んぁ…

僕を頬張りながら獲物は妖しい声を出す。

この行程を器具に任せるのはつまらない。

じわじわと侵食され、凌辱される屈辱と、身体の全ての器官を快楽に明け渡す服従心をじっくりと植え付けていくのだ。

獲物は逃げずに堪えている。肉棒を迎え入れる悦びのために、屈辱を受け入れているのだ。


菊門の皺は伸び切り、指の間に隙間ができる。
それを自覚させるために息を吹き込んだ。

獲物は身悶え、口を離して声を洩らす。
それは言葉で表現のできない吐息のようなものだった。