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藤の舞
第16章 試験
「ややこしいな、今からお前と呼ぶから、そしてお前の親友のことは君と呼んでいるから…」

「畏まりました、ご主人様。」

「じゃあ早速だが、お前はあっちの椅子に座って俺たちを見てろ。」

「はい。」

彼女はすぐさま立ち上がり、言われた椅子に腰掛けた。

もう一度、男と逢瀬のキスを交わし、アタシは男のシャツを脱がせる。
そしてズボンを下ろすと、突然の異常事態にも関わらず、しっかりと反り返り反応していた。

「ねぇ、貴方もシャワー浴びる?
アタシはこのままでもいいけど…」

「ああ、汗かいたし、さっと浴びてくる。」

男がバスルームに向かい、アタシは男の服をハンガーに掛けた。

親友とは喋らない。
M女であるのは本当だけど、親友ではないし、
主から派遣された女だから、一度打ち合わせで会って、最低限の取り決めをして、共通の目的のために動く、言わば仲間だった。

男がバスルームから出てきたので、

「良かったね。新しいご主人様が見つかって、でも、アタシの大事な人だから、早くきちんとご主人様見つけてね。」

さも親友と会話していた風に装えば、

「はい、ありがとうございます。」

調子を合わせて返事をしてきた。
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