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藤の舞
第16章 試験
共有の概念…
彼女の呆けた表情を、鏡を見ているかのようにして、自分の姿を知る。

互いに見つめ合い高まっていく。

もう二人の喘ぎ声が響く中、男が叫ぶ。

あああっ…いいよっ、二人とも絞まって、
ああっ…訳が分からなくなりそうだっ

ああん…ちょぉだぃ…アタシにちょぉだぃ…

ああああっ…

三人が同時に叫ぶ。

ぁあああっ…熱いっ…熱いぃ…

約束のものがもらえて満たされた。

ぁあああ…ん…

同じく達しながらも、もらえなかった彼女の哀しい叫びに、優越感に浸ったまま、アタシは意識を失った。



優しく、大きな手に頭を撫でられている。

チュッ…チュッ…

肩や首筋にキスが降る。


っあっ…

「ああ、気づいたね。大丈夫?」

アタシは、ベッドヘッドに枕を積み上げて斜めに寄りかかる男に抱き締められていた。

「ええ、アタシだいぶ寝ていた?」

「いや、そんなでもないよ。ただ、君の方が気を遣って疲れてしまったんじゃないかなって、心配した。」

そう言われて彼女のことを思い出した。

「あっ、あの子は?」

「今、バスルームにいるけど、支度して出てきて先に帰ってもらうように話したよ。良かったかな。」
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