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第10章 バレンタイン

「落ち着く～。」
「うん。」
「チョコレート。はよはよ～。」
「子供みたい～。可愛い。はい。これ。」

俺は、受け取って中を開けた。

「これ、なに？」
「ガトーショコラというケーキなのさ。ワトソンくん。」
「食べてい？」
「はい。フォーク。」

そのガトーショコラは、甘くて、ほろ苦くて、美味しかった。

「はい。コーヒー。」
「旨い。こうゆうの、好き。」
「男の子にしては、甘すぎたかな？って、思ったんだけどね。」
「割りと、甘いの好きだよ。彩ちゃんも好き。」
「サラッと言うね。」
「あっ、明日、暇？」
「午後なら、暇かな？」
「じゃ、学校終わったら、スーツ買うの。選んで(笑)青山で(笑)」
「いいよぉ。」
「俺らより、彩ちゃんら先生の方が、バタバタしてるよなぁ。」
「まぁね。色々準備が忙しい。」
「あと、１ヶ月もないよなぁ。」
「早い、早い。」
「しかも、ホワイトデーの前に卒業だから、来月バタバタしてんだろうなぁ。」
「うん。」