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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第19章 太いのが好き/細くても好き
 そんなふうに、まじめな、というか仕事の話をしているときの可美村クンは口数も多くなり、表情もイキイキとしているような感じになります。

 そういえば桜井クンもそうだったかもしれません。
 長らく忘れてましたけど、男の子っていうのは大体そういう感じの生き物でした。興味の無いことには生返事しかしないくせに、自分の趣味や仕事のことには目を輝かせて延々と喋るのです。

 「可美村クンは、どうして先生になろうと思ったの?」
 「大学でたまたま教職課程があったんですよ。工業大学だったから、数学と技術の免状だけ取れたんです。」

 「へえええ。じゃあ小さいころから目指していたわけじゃあ…」
 「なかったですね。でも数学が好きだってのもあるんですよ。数学ってね、唯一正しい答えがある学問なんです。」
 
 そういうものだろうか。あまり納得もしなかったけれど、得意そうに話す可美村クンが微笑ましくて、私は先を促すように、へえ、と答えたのです。

 「たとえば国語とか歴史なんて、人の解釈次第でいろいろな答えが出てしまうでしょ?」
 「でもそれなら、たとえば物理とかだったら正解があるんじゃないの?」
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