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§ 龍王の巫女姫 §
第8章 託宣( タクセン ) ── 若王の秘密

だが何よりの原因は、李王──炎嗣である。

毎晩のように媚薬をもられては気をやるまで激しく抱かれ、朝には解放される…その繰り返し。

…水鈴はそんな王宮生活に、自分の限界というものを感じていた。



「…第一に、そのような卑しい衣もお止めなさい。陛下の寵愛を受けながら…失礼にあたると思われないのですか?」

「けれど許可をしたのはあの王です」

「あの、王?──なんと無礼な」


水鈴が身に付けているのは、後宮の貴妃達が着る衣とは異なっていた。白衣( ハクエ )と紅袴の、巫女服である。

慣れない宮廷服を嫌がった水鈴に
服など何でも良いと、炎嗣が許可したのだ。


何でも良い…というより
どうでも良いという意味だろうけれど。



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