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§ 龍王の巫女姫 §
第12章 紅い灯籠に花を広げ…

翌朝、炎嗣は王宮へ運ばれた。

暴発した爆竹の火は奇跡的に家屋へ飛び火しなかったようで、怪我人は最小限にとどまった。

所々で店先の棚が壊れているのは、混乱した馬が暴れた痕跡──。


そして炎嗣とは別の輿( コシ )に乗せられて王宮へ戻る水鈴が、何より驚いたのは町民たちのたくましさである。

壊れた場所を黙々と修理する者。
何事もなかったかのように客に売り込む者。

彼等の頭は昨夜の騒動でなく、明日の春節祭に向けてすっかり切り替わっていた。


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