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§ 龍王の巫女姫 §
第16章 淡く儚く 愛おしく


「…やはり謝罪から入るべきですかね」


何の?何を謝るの?


「何を──それは、難しい質問だ」


難しい?どうして…簡単でしょう?


「簡単ですか…、言ってくれますね」

「……」

「許しを乞う必要があるのなら、それは私の存在そのものだ」

「違います…!!」


水鈴は彼に真っ直ぐ身体を向けて、ぺたんと尻を地につけた。

両手を前について身をのりだす。


「わたしは怒っているの…っ。わたしをひとりにした花仙に怒っているの」


「水鈴様…」


「花仙がもういないって知らされて……その瞬間、胸が引き裂かれるようでした。嘘であってほしいと願い続けて…──ッ なのにあなたは迎えに来てくれなかったもの!」


ああ…なんて我が儘な自分だろう

水鈴はそれを自覚しながら、それでも溢れる言葉を止められない。



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