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§ 龍王の巫女姫 §
第4章 狂気

投げた女は臆することなく、すぐにもうひとつを拾い上げて投げ付ける。

…しかし花仙は二つ目の石をかわした。


「巫女様を穢す疫病神め!」

「……巫女、巫女、巫女と…呆れたものです」

「……っ!? 」


石をかわした花仙は大きく項垂れ( ウナダレ )

俯いたまま口の端で笑う。




「よくも飽きずに此のような狂信ごっこを…」



「…!? な…なんだと…!!」



「──…水鈴は巫女ではない」



「な…ッッ」



村の者は、彼の言葉に固まった。


その言葉だけは…この村では禁句である。







周りが沈黙に包まれたところで

彼はもう一度繰り返した。


「彼女は巫女ではありません」

「だっ…だまれええええ!!!」


輪から飛び出した男が叫びながら花仙の背中を蹴りつけ、彼はその場に倒れた。



「お前っ…なんて邪悪なことを…!!!」


「……ふっ」



俯せに倒れた花仙は

地の砂利を掴みながら村人を嘲笑した。



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