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第6章 秘めごと

「‥‥はぁ――――ｯ‥」


暗い部屋にため息だけがこだまする‥


「‥嘘だろ…」


ルイスは自室のベッドに横になり額を腕で覆い呟く‥


気が動転していて寄ってきた貴族の娘達を口説く気にもなれなかった…


暗い部屋の窓からは、闇に浮かぶ満月が眺められ鮮明な光りを放ち開け放たれたバルコニーを照らしている

あの日も満月だった‥


見かけない顔だと思い興味を惹かれ近くで眺めればますます最高の女になると判断した‥

天塩にかけてゆっくり育てればと思い‥抱いてみたら―――我を忘れて夢中になった‥





‥ﾌﾝ‥‥俺も感が鈍ったな

よりによってアルを抱いたなんて‥‥‥‥


―――！

――――‥いや、待てよ‥

もしかすると姫は別に居るかも知れない‥
もしかしたら‥
やっぱり他人のそら似で‥あの時、姫は仮面をしたまんまだったし‥‥‥


ルイスはアルが姫である可能性を打ち消そうとしていた‥

だが、そんな思いも無惨に砕かれてしまう





―ガシャーﾝ!!

「……っ…なんだ!?」


ルイスの自室の近くで金物の倒れる音が響いた


「あたたたっ…
もぅ!　こんなとこに居ないでよっ!!‥//」