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第6章 微かな希望の夏休み

香ばしい匂いに鼻をくすぐられ、目覚めた麗華が時計を見ると朝の９時を回っている。

大急ぎで着替えて居間へ行くと、
「おはよう、麗華」
茶碗を手にした菅野がにこやかに迎えてくれた。

「ごめんなさい、朝食の支度も手伝わずに…」

ただでさえ車中で眠りすぎたのに朝寝坊までしてしまい、麗華は自分が情けなくなる。

「なぁに、それだけウチの布団が寝心地いいってことさ。それとも計が寝かせてくれなかったか？」

笑いながら雷造が台所から顔を出した。