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高嶺の花は惨(むご)く手折られる
第2章 4月は運命の出遭い
「お待たせ…あら?」
戻ってきてみると菅野の姿がない。
「あ、すみません、トイレを借りようと思ったら迷っちゃって…部屋、広いんですね。僕のアパートとは大違いだな…」
ソファに沈めた菅野の体が心なしか小さく見える。
反応に困った麗華は、
「…砂糖とミルクは?」
聞こえないふりでコーヒーを勧めた。
「ブラックでいいです」
暗い表情でコーヒーを飲み干すと、菅野は来た時とはうって変わって素っ気なく暇を告げて立ち上がる。