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高嶺の花は惨(むご)く手折られる
第3章 対抗心に燃える5月
最初に覗いた職員用の女子トイレで運よく花澄を見つけた。
顔を洗ってメイクを直していた花澄は麗華に気づき、泣き腫らした目を再びキリキリと吊り上げる。
「あのね、花澄ちゃ…」
「私は高校生の時からずっとケイ先輩が好きだったの!先輩はモテるから同じ大学に入っても側に近寄れなかったけど…実習先をこの学園に決めたのもケイ先輩に少しでも近づきたかったからよ」
恋を知る前の麗華なら『不純な動機』と蔑んだだろうが、今はその健気さを一蹴できない。
顔を洗ってメイクを直していた花澄は麗華に気づき、泣き腫らした目を再びキリキリと吊り上げる。
「あのね、花澄ちゃ…」
「私は高校生の時からずっとケイ先輩が好きだったの!先輩はモテるから同じ大学に入っても側に近寄れなかったけど…実習先をこの学園に決めたのもケイ先輩に少しでも近づきたかったからよ」
恋を知る前の麗華なら『不純な動機』と蔑んだだろうが、今はその健気さを一蹴できない。